図面の読み方 その1
そもそもごく一般の方にとって建築図面に触れる機会というのは、家を建てようと思うまでなかなかないものです。個人的には、中学、高校の間にお金の 借り方と家の建て方は授業で一般常識として教えるべきだと私は思っているのですが、まず一般のお客様で最初から図面が完璧に読める方というのはいらっしゃ らないです。 仕事を進めさせていただくうちに、次第に図面に対する理解を進めていただいているというのが実情です。やはり、建築図面というのはかなりとっつきにくいと いうのが実情ではないでしょうか?
実はこの記事も3年前に書き始めて、まだまだ不完全な状態です。いつまでもこのままにもしておけないので、できる範囲でまとめてみます。
図面は、用語からして難しい言葉が多いです。
なかなか公開された資料はないと思っていたのですが、3年も経つと環境はだいぶ変わっていまして、建築用語集もネット上で充実しています。
いやいや、この用語辞典はかなりすばらしいです。 本来立体である家や建物を紙の平面の上にあらわそうとするわけですから、なかなか大変です。
以下、たまたま手元にあった鉄骨造2階建ての事務所の図面を例に用いて説明します。一番よく使われる、「プラン」というとこれ!というくらいポピュラーなのが、平面図です。
それぞれの部屋の大きさや、サッシュなどの建具の位置、キッチンなどの住宅設備関係の配置などがよくわかります。玄関から入って、リビングで食事し て、着替えるのは主寝室で、あるいは打ち合わせスペースと作業スペースをどう移動するかとか、自分自身がどう建物の中で動くのかという動線を想像できるます。お打ち合わせでにらめっこする時間が一番長いのも平面図かもしれません。
平面図だけですと、立体感がつかめないので、南北東西の外側から眺めた時にどのように見えるかを示したのが、立面図です。
[下の2図は断面図です。]
頭の中で組み立てるのは、なかなか熟練がいる場合もありますが、平面と立面図を眺めていると建物の仕上がりや見かかりまで想像つきます。
最近は、コンピューターが発達していますので、そもそも平面図、立面図(2つあわせて略して「平立」(へいりつ)などと呼ぶこともあります。)からCADで描いているので、あまり手間をかけずに現実に近いコンピューターグラフィックスを作ることも可能になりました。パースと呼ばれています。上手な方が作ったパースは最近の3Dグラフィックスの映画ではないですが、ほんものと見分けが付きません。
[例示した他の図面とこのパースは一致しません]
この他、建築確認を取るまでには、基礎伏図、梁伏図、矩計図など構造や仕上げに関する図面も必要になります。 これらは構造設計、構造計算と言われる技術的な検討を踏まえて作成されます。
住まわれる側の方にとって案外重要なのは、展開図と呼ばれるものです。
必ずしも許認可等で必要ではないのですが、施工者側と設計者、そして御施主様の内装に関する誤解を解く為には有効な図面です。これは、部屋の中心に立って部屋の4面を立面図のように切断して描いた図面です。 これに仕上表と言われる建物の内外装の仕様についての図面も最終的なできあがりをイメージする上で大事です。
非常に駆け足となってしまいましたし、例示した図面も必ずしも適切なものではありませんが、こういう種類の図面があるのだという理解をいただければと願っております。
また機会をあらためて図面の具体的な見方など説明させていただきます。
■おまけ
昨日までの3日間は成田祇園祭りがあり大変私の会社の周りは賑やかでした。携帯で撮った動画なのであまりきれいではないですが、おまけとして載せておきます。
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