「超住宅フェア」で「100年賃貸マンション」
テーマは、「100年賃貸住宅の安心ー長期安定賃貸住宅を作るコツを伝授!」ということでした。私自身のテーマ設定としては、「賃貸住宅は、資産といえるのか?それとも、負債で終わるのか?」という以前からの課題に答えようという野心的(?)なものでした。
ちょうどニューズウィークで「住めば住むほど得する住宅」という特集を組んでいました。日本では20年たったら中古住宅がほとんど価値がなくなって しまうのに、米国では12年前に12万ドルで買った住宅をきちんと手入れしてあげれば50万ドルで売れたという事例すらあるのだそうです。以前から言われ ていることですが、日本の住宅の平均寿命は26年あまりだそうですが、米国で70数年、英国、ドイツでは140年という統計があります。
・ニューズウィーク日本版 2007/3/14号『住めば住むほど得する住宅』
賃貸マンションでも、全く同じことが言えます。私も米国に2年ほど暮らしましたが50年くらいたっている賃貸マンションはざらでした。私が住んでい たマンションでも、ほぼ毎日のように管理人さんがペンキをぬったりドアを修理したりと手を入れてくれていて、確か築後70年経っている古い建物とはいえ快 適でした。一概に言ってしまうのは問題が多いのですが、日本では、木造のアパートであまり手を加えないとか、鉄骨造で外壁や屋根のメンテナンスを怠ってい ると20年くらいでぼろぼろになってしまうとか、鉄筋コンクリート造で長い間に生活のスタイルとあわなくなってしまうなど、借金を返し終わったら資産価値 がなくなってしまっているというのは困ります。あるいは、私自身の悩みでもあるのですが古い建物を補修するよりも建て直したほうが安くあがるという現象が 日本では多く見られます。
これまでは土地の値上がりがったので、建物が無価値になっても土地の担保力があがっていて、住宅でも賃貸マンションでも建替えが容易にできたのです が、これからは高度成長時代のような土地の値上がりは考えられないでしょう。そういえば、米国に居たときにマイノリティー優遇政策の補助金を受けずに立て た賃貸マンションはないと授業でおそわりました。それくらい80年代、90年代の米国では賃貸マンションを建てることは難しい状況でした。日本も今後そう なりかねません。賃貸マンションを買う方の「利回り」という考え方では、このメンテナンスコストとどれだけの時間その利回りが保持されるのかという時間の 問題が軽視されているように思われます。
こうした状況の変化にオーナーとして考えなければならないのは、本当の意味での「100年万マンション」ではないでしょうか?というのが、私のプレ ゼンの趣旨でした。先日のガイアの夜明けでもスケルトン・インフィルと外断熱の組み合わせこそが分譲マンションで「100年マンション」を実現することだ とされていました。ミニセミナーの時もこの番組を見たという方が結構いらっしゃいました。
耐震偽装事件をその背景からするどく批判した平松朝彦さんの本でも、では一体今後あるべきマンションの形はなにかという答えを外断熱+スケルトン・インフィルだとされていました。
・亡国マンション The Truth of Defective Condominiums
すみません、しばらく前にメルマガで取り上げたネタで恐縮です。
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