建設会社にとって地域とはなにか?

私たちの会社は「家族と家族、世代と世代をつなぐ」という言葉をキャッチフレーズにしています。

いや、まだ社内ですらよく説明し切れていないのですが、私は地域を好きになって、地域を守るお手伝いをするのが建設会社の仕事だと思っています。ようやくそのことがわかってきました。

よくスタッフに話をするのですが、お客様にとって私たちが作らせていたく建物自体が目的なのではありません。

住宅を作るお施主様は、幸せな家庭を築きたいから住宅を作るのです。賃貸マンションを建てようとしているお施主様は、相続の対策をしたいからとか、 収益を稼ぎたいから建てるのでしょう。倉庫や工場を計画するお施主様の会社さんは、事業の拡大や新しい事業に乗り出すために企画します。

建物には必ず目的があるのです。その目的とは、お客様の幸せです。私たちは、お客様の家族の幸せを形にすることです。

お客様の資産や伝統を世代から世代へつないでいくお手伝いをしている仕事をさせていただいているのです。

あるお客様がいます。そのお客様は非常に計画的に私どものシェル太-22を建てられました。計画とは、ご自身の家族の伝統をつないでいく計画です。二世代住宅を建てられ、お子さんの家族と三世代で暮らし、これから50年生きて、スケルトン・インフィルを生かして、次の大改装まで生きたいとおっしゃっています。

私自身は、比較的大家族の中で育ちました。私の経験からも、学校の勉強よりも、多くの世代や多くの親戚や家族と小さい頃から触れ合うことが、社会の中で生きていくうえではより勉強でした。

このお客様もそのことがよく分かっていらっしゃっていて、お子さま、お孫さまと一緒に暮らし、ご自身の経験を語り、家の伝統を伝え、内外断熱・鉄筋コンクリートの構造体を生かし、次世代の負担を軽くし、より幸せに子々孫々と永続されていく姿を現出されようとしています。

この方の姿を見ていた私は思いました。家族を守り、世代から世代へと想いを伝えていくことこそが、地域を守ることだと。地域は、家族でできています。家族がその地域ですくすくと育って、伝統を伝えていくことこそが、地域を形作っていくことなのです。

私自身はいままであまりにも自分の地元をおざなりにしてきていました。本当に反省しています。

私どもの「世代と世代、家族と家族をつなぐ」というキャッチフレーズがなにを言いたいのかも、自分で作っておきながら、ついこの間まで私自身がわ かっていませんでした。このキャッチフレーズは「私たちはお客様が建物をたてることによりお客様の目的を達成するお手伝いを通して、地域社会を守っていき ます」という意味なのです。

ようやく自分で少しわかってきました。お客様から本当に教えられます。

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