「不都合な真実」
平山建設の内外断熱の技術は、自分で住んでいて冷暖房を使わないでも暮らせるくらい省エネなので、「環境にやさしい」ことを今年はアピールしていく ぞ!と思っていました。特に今年は「環境」について「不都合な真実」からきっと話題になるだろうから、とりあえず読んどけ、くらいの感じで読み始めまし た。
いやはや、この本はそんな私の自分勝手な想い込みが吹き飛んでしまうような内容でした。
不都合な真実 アル・ゴア 枝廣 淳子 ランダムハウス講談社 2007-01-06 by G-Tools |
多くの方がこの本と映画について書いていらっしゃいます。
・「不都合な真実」 @ e-Benkyo by 三田法子さん
・アル・ゴア氏の話題の映画観てきました @ 青木陽子の東京?ロンドン編集後記 | カフェグローブ
まず、私は自分から行動を起こしていくアル・ゴアさんのリーダーシップに感激しました。そして、いまから企業の思惑を超えて環境問題に対して自分にできることをしていかなければならないと感じました。
この本の最後の「気候の危機の解決に手を貸すためにできること」に「自宅の省エネを進めよう」とありました。
自宅で使うエネルギーによる排出量を減らそう
ほとんどの人にとって、最も手っ取り早く排出量を減らすチャンスは自分の家にある。家庭からの温室効果ガスのほとんどは、電力や家を作るために化石燃料を燃やした結果、発生する。いろいろなやり方でこの排出量を減らすことができる。
京都で国際会議が行われ、京都議定書が作られたころ、平山建設の「シェル太?22」 のホームページに「地球温暖化防止住宅」とタイトルをつけていたことがありました。省エネに直結する外断熱で、ライフスタイルの変化に対応できる S&Iの大空間であり、長期にわたって建物の耐久性が期待できる壁式鉄筋コンクリート構造の家は、まさに京都議定書の精神と合致すると私は信じて いました。いや、いまも信じています。
実は、日本の住宅はついこの間まで基本的に20年程度で建てかえられるという前提で業界ができていました。「既存不適格」を認める建築基準法も「1世代のうちにほとんどの建物は建て代わるはずだ」という仮定を持っていたのだと私は思います。
既存不適格(きぞんふてきかく)とは、建築時には適法に建てられた建築物であって、その後、法令の改正や都市計画変更等によって 不適格な部分が生じた建築物のことをいう。そのまま使用していてもただちに違法というわけではないが、増築や建替え等を行う際には、法令に適合するよう建 築しなければならない(原則)。
(Wikipediaより)
建築の仕事をしていると、お客様は建築を通して、苦労して築いてきた資産や伝統を伝え、子孫に繁栄し、幸福でいてほしいという願いを感じる機会が多 くあります。みなさん口々に「一世一代の買い物だ」とおっしゃいます。住宅で少し無理をしてでも三世代が住める住宅を建てて、幸せに暮らしたいというお話 を直に伺うと感動します。
話を元に戻して、環境問題で言えば、せっかく建てた建物を解体して廃棄することは、ものすごく資源の無駄遣いであり、「温室効果ガス」を大気中に放 出する行為だと思います。しかし、日本において建物の寿命は人の寿命よりもはるかに短いということが業界では当たり前でした。これは多くの場合、建物の耐 久性の寿命により取り壊すケースよりも建物の使い勝手が悪くなったので建て直すケースが私がお話を伺っていても多いと思います。
近年、日本の住宅の質も劇的にあがり、省エネに目が向けられ、より長い期間にわたって建物を使っていただくことがあたりまえになってきました。断熱 がきちんとされていて、使い勝手の変化に対応でき、長期間にわたって構造耐力を維持できる住宅を作っていくことは、建設業者である私にできる「あなたにも、すぐできる10の事」であり、使命なのだと、改めて「不都合な真実」を読んで感じました。
■参照リンク
・映画版 「不都合な真実」 公式ページ
・地球温暖化、今動き出せばまだ間に合う! | カフェグローブ by 青木陽子さん
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